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No.1 「HARU ~赤と緑(苺&ふきのとう)~」

赤と緑のマリアージュ 一粒に春の息吹を感じて

2012年に「ふきのとう」をショコラにした時、表現したのは“苦味”でした。そして数年が経ち様々な素材と触れ合う中で2017年に表現したのは、土の中から今にも花が開きそうな姿をしている状態の時に宿している野生的で青々しい香りでした。その香りをかいだ時、ふと映像として浮かんだのは苺畑の側で芽吹いたふきのとうが広がる情景。「きっと苺の華やかな香りや甘酸っぱさと合う」と、直感したのでした。フレッシュなふきのとうは、その香りを活かすためミルクのやさしい味わいと華やかな香りを持つペルー産チャンチャマイヨ48%と合わせて下層に。上層の苺のガナッシュは、苺の可愛らしさや甘酸っぱさと非常に相性の良いニカラグア産カカオのショコラ・オレ(カカオ分50%)を合わせ、苺の甘酸っぱさと、ふきのとうの野性味を帯びた春のパワーが交差する瞬間が表現できました。デコールもふきのとうの緑の味が漂う中に、トンっと苺がある、そんなイメージです。

No.2 「神の木~クロモジ~」

自然の贈り物×日本の最先端技術 ペルー産カカオのポテンシャルが全てを引き出して

クロモジは、日本では高級な爪楊枝として和菓子を食べるときに使われてきた樹木。その高貴な香りには、ヒーリング作用や、抗菌作用もあり、一部の地域では儀式に必ず使用されるなど“神の木”とも呼ばれています。そんなクロモジの香りはシェフ小山も大好きで「いつかこの香りをショコラにしたい」と思っていました。それを実現したのがこのショコラ。今回使ったクロモジは「新月切り」と言って、引力が一番弱くなる新月の日の樹木の香りが最も濃くなるタイミングに伐採していただいたもの。そうして刈り取られた枝や葉を「真空常温乾燥」と「プラズマ乾燥」という二つの技法で乾燥させ、全てを生クリームにアンフュゼ。樹木のオイルまでも入れ込んで、ペルー産のチャンチャマイヨのショコラ・オレ(カカオ分48%)と合わせました。鼻へ近づけていただくと、口の中に入るまでの間に、クロモジのパワーを感じていただけます。神の木と呼ばれる樹木が持つ高貴な香りをご堪能ください。

No.3 「YUZU~エスペレットピマンの刺激と共に~」

素材を掘り下げた先に見えるもの 日本と世界の素材が生み出す絶妙なマリアージュ

 柚子は、皮、果汁と様々な活かし方があり、加工品も数多ありますが、今回の発見は次元の違うアプローチ。柚子の皮の表面0.1ミリほどの薄い表皮のみを削ったという、金に輝く柚子のパウダーに出会ったことが誕生のキッカケでした。それは、これまでショコラに限らず柚子を様々なシーンで使用してきたシェフ小山にとって、「本物のフレッシュな柚子には到底及ばない」という悔しさを消し去るほどの衝撃。最高の柚子ゼストパウダーで柚子を最大限に表現し、そこへ強い刺激を合わせたくなって思いついたのが、数年前訪れたフレンチバスクで出会ったエスペレットピーマンとの組み合わせ。柚子の素晴らしい香りの中から、スパイシーなエスペレットピーマンの味が後からじわりとやってきてアーモンドプラリネのふくよかな味わいに優しく包まれます。クリアに柚子の特長が際立った素材のポテンシャルが生み出した新たな表現です。

No.4 「サンマルティン~終わりなきカカオ探求の旅~」

「テオブロマ」の名にふさわしく カカオの可能性を強く感じる一粒

2016年に訪れたペルー・サンマルティン。ここで出会ったカカオを「使ってみたい」とシェフ小山が現地で申し出たところ、様々な人との繋がりによって、以前から「この地のカカオを手に入れたい」と思っていた小山の友人でもあるクーベルチュリエの手に渡り、クーベルチュールに仕立てられました。味わいは、クランベリーのような香りにやさしく広がるマンゴーやアプリコットのようなフルーティーな味わい。そして、ややナッティな分厚いカカオの余韻が、刺激の強いエスペレットピーマンの後でも、一口でガラリと口の中を違う物語にリセットします。「カカオが学名で『テオブロマ=神の食べ物』と名づけられた意味をつくづく感じた」というシェフ小山の、「今後もカカオ探求の旅はこれからもずっと続いていく」という思いが込められた、4種類の中でどんなショコラよりも力強いパワーを秘めたこのショコラ・ノワールが最後です。そして再びNo.1を味わったとき、新しい発見が待っていることでしょう。

SUSUMUKOYAMA’S CHOCOLOGY2017 Human~coexsit with nature(自然と共に)~

フランスで最も権威あるショコラ愛好会「C.C.C.」のコンクール出品作です。
コンクールの結果はサロン・デュ・ショコラ パリ会場で発表されます。
1箱(4個入り)1,728円