パティシエエスコヤマ研修旅行記2016

Vol.11 「TEMPLE CLUB」でのディナー WRITER:宮副 僚

研修4日目の5月14日、ベトナムのホーチミンにあるレストラン「TEMPLE CLUB」での夕食のレポートを担当させていただきます。小山ロール担当の宮副 僚です。よろしくお願いします。
ベトナムで父が働いているためホーチミンに来るのは人生2度目、懐かしのホーチミンであります。

ではお話は本題に。レストランは、
宿泊しているホテル「ルネッサンス リバーサイド ホテル サイゴン」からタクシーで10分もかからないところにあります。バイクが多いため歩いてレストランまで行く方が早く着いたのではと思いました。

このレストランも「クック・ガック・クアン」同様、ブラッド ピット、アンジェリーナ ジョリー夫妻がお忍びで訪れたことがある隠れ家的本格ベトナム料理のお店です。
シェフのご厚意で、資材管理を担当する杢田さん、ショコラを担当する中川さんと私の4人でのお食事をさせていただきます。

まず入り口からおしゃれな雰囲気が漂っています。

中に入ると

象の置物があり、お香の香りが漂い
アジアな雰囲気のある中、2階に上がり席に着きました。
アラカルトで注文することになりました。メニューはベトナム語と英語で書かれており、写真もないので少しわかりにくかったですが、皆で選んで注文しました。

春巻き4種

日本でもお馴染みの、揚げ春巻き2種に加え、香りの強い香草を生の春巻きの皮で包んだものと、焼いたタイプ2種類です。
香草で包んだものは癖があるので、苦手な方もいるかもしれません。
スタンダードなものは、外はサクサク、中はたくさんの具が入っており、美味しくいただきました。

海老フライ

個人的な意見ですが、ベトナムの海老は、日本で普段食べるものよりも身がしっかりついていて、プリプリしているように感じました。

海鮮チャーハン

新鮮な海の幸 エビやイカなどたっぷり入っていました。

スープ

ベトナムでは必須のパクチーなどの香草が入っていたり、一見あっさりしていそうに見えますが、エビや野菜の甘みがしっかり出ていて、日本ではあまりない味で、すごく刺激的でした。

シェフが「このお店のシェフや、ソムリエの方々は自分たちの作る料理をよく理解できている」とおっしゃっていました。なぜかというと、ワインがすごく料理にマッチしていたからです。普段あまりワインを飲まない自分にも料理に合っているとわかりました。料理とお酒がそれぞれの良いところを引き出していたように思いました。

最後に中川さんが選んだデザート!
これは写真を見ただけで選んだので誰にもどんな味なのかわかりませんでした。
黄色の部分はプルっとした卵の甘みのある生地、そして緑のソース。これは何だろう、と皆で話しましたが、わかりません。お店の方に聞いたところ笹のソースですと、とのことでした。自分の笹のイメージはもっと苦味がある癖の強いイメージがあったのですが甘みが強く食べやすかったです。シェフも面白いなーとおっしゃっていました。また新しい商品につながる予感がしました!

シェフとは普段プライベートの話をする機会はなかなかありません。
この食事会ではお仕事の話はもちろん、シェフのプライベートについてや、自分自身について、恋愛についてなど話が尽きることはなく、いろんな経験を積まれてきたシェフからのアドバイスをいただくことができました。
最初はすごく緊張してカチカチだった自分がいつの間にか素を出してしまっていたり、ととても楽しい時間であっという間に終わってしまいました。

この後は
バーでお話の続き!お話が尽きることはなかったです!
最後にシェフの部屋で最新のショコラについて教えていただきながら試食させていただきました。この時、シェフがおっしゃっていたことは「若いときは、自分の好き、嫌い、美味しい、美味しくないで自分勝手に味を判断するな」と言うことです。この時シェフに言っていただいたことは、世の中に美味しいと評価されたものを自分の味覚も美味しいと思う舌を作れという事です。今の自分の好みで判断する味覚を捨てて、新しい味覚を養うようにとおっしゃっていました。

シェフはパティシエ、ショコラティエでありながらお菓子を作る事以外でも世の中にたくさんのことを表現するし、発信している事の偉大さに気付かされました。 
私は、学生の時から文章を書く機会も殆どありませんでしたが、今回、こうしてレポートを書く機会をいただいたことも、発信するということの練習の一歩だと感じています。
私達もシェフの背中を見て追いかけるのではなく、もっともっとシェフの近くで同じレベルで話ができるように、日々精進していきます!