Vol.8
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3日目:「mugariz」でのディナー

ここまでは白ワインとペアリングしていましたが、シェリー酒も提供され一つは1971年の物がありました。

シェフは2016年に「醤油ヌーヴォー」というボンボンショコラで、ショコラと醤油とシェリー 酒のペアリングをしたボンボンショコラを創作されております。それ故に年代物のシェリー酒に私はとても興味深く、より醤油に似たよう香りを感じました。醤油ヌーヴォーが発表されてから、頭が勝手にシェリー酒=醤油と感じています。

10.Crab fideua(左)
キングクラブを使ったパエリア風の料理で、キングクラブの旨味がお米に凝縮されていました。表面に散りばめられたドライのキングクラブの身が、とても良いアクセントになっていて、最後までパリパリとした食感を保っていました。


11.Toasted with honey/Riesling(中)
クランブルの中に蜂の巣が入っており、香ばしいクランブルにはちみつがよく合いました。 「リースリングが(白ワインが)とても良く合う料理だ。」と小山シェフ。


12.Puffed tendon(右)
牛肉をパフで包み、牛のソースが付いており。Tendonと名付けられているように、天ぷらのように仕上げてありました。日本のような天丼のタレをイメージしているのか、ソースも少し甘く、牛肉の旨味を引き立てています。


そして大量のグラスが準備され、あっという間にテーブルの上が占領されました!!

各地方のリースリング(白ワイン用の葡萄)を使用したワインを持ってきてくださいました。 左からアルザス地方、ドイツ、オーストリア2種の4種類です。

お店の方にアルザスから順番に料理と一緒にペアリングをして、変化を楽しんで欲しいということでした。今までで料理を食べるときに、4種類のワインと料理をペアリングする事がはじめてでした。ペアリングした料理はこちらです。

13.Beans and tears
豆と山椒の料理で、とにかくこの豆が美味しかったです。涙豆と言ってサン セバスチャン近域の一部でのみ収穫され、この時期が旬で畑のキャビアと言われているそうです。この涙豆だけをこの地方に食べに来る人もいるそうで、その気持ちが分かるくらい美味。


ワインとのペアリングについて、小山シェフは『かなり難易度が高いし、分かる人の方が少ないと思うけど、山椒のピリピリする感じの刺激がワインによって変化するのが、面白い。正解はないけど、こうなんじゃないか?と頭を使って楽しむことが大切。』と教えていただきました。 ショコラもテイスティングをする際、頭を使って味を自分から理解しようとします。何が合うのか考えてみたり、食べる順番や2度目、3度目に食べた時の味の感じ方、時間差で刺激や味の変化が起こったりするのがショコラの魅力だと私は思います。


特にシェフの作り出すボンボンショコラは、ショコラを含む材料はもちろん、作り方、デコール、コーティングも4種類を使い分けるなど、1口目で感じきれなかった新たな味を2口目で気づかせてくれるようなこだわりが詰まっています。妥協しないものづくり、こだわりが美味しさにつながっているのだと思います。


そして、入ることが出来無いと思っていた厨房を特別に案内していただきました。

オーナーシェフは残念ながら旅行中でしたが、厨房は整理されていてスタッフはそれぞれの仕事に集中していました。


厨房見学後にシェフから『自信を持ち仕事をする事の大切さ、例えばサービスのスタッフでも自分なんかと言いながら説明されるより、自信をもって説明さえる方がお客様の満足度は上がる。すごいで終わるのではなく、自分と比べて自分に何ができるのか考えることができるかが大事だ。このお店でいうと、シェフが旅行中だがお客様には満足して帰ってもらわなければならない。だから目の前で起こっていることに対して、アクションを起こせなければいけないし、自分自身も成長しない。自分には何ができるか考えて普段から行動する事が大切。』


シェフが良く私たちに教えてくださる『その日を何となく過ごすのではなく、昨日の自分よりもレベルの高い自分になれるように努力する。』これが全てだと改めて感じました。


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