es koyama CHOCOTATE BOOK 2022
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46es-TABLETエスコヤマには「創作タブレット」というジャンルのタブレットチョコレートがこれまでたくさん登場してきたことをご存じですか? 今は「es-TABLET」という名前で店頭に並んでいますが、少し前は、「International Chocolate Awards(以下、ICA)タブレット」という名前で、今の倍の大きさで販売されていました。 その理由は、2013年から4年間、ICAというコンクールに出品しており、そこで金賞などを受賞した作品のなかから、特に日本のお客様にも紹介したい、というものを販売していた流れがあったからです。エスコヤマがICAに初出品したのは2013年。 ICA創立2年目のタイミングでした。コンクールには大きく分けて「バー(タブレットチョコレート)部門」と、「ガナッシュ/トリュフ部門」「スプレッド部門」があり、当時バー部門は「プレーン/オリジン」と「フレーバー」とそのなかで「ビター」「ミルク」「ホワイト」という3部門に分かれており、合計6部門でした。 しかし、この年にエスコヤマが中にプラリネを詰めたバーを出品したことで、翌年には「フィリングを詰めたもの」という新たな部門が加わるなど、年を追うごとに部門は増えていきました。ちょうどこの時期、世界的なBean to Barの流行、当時第3のチョコレートと言われていたブロンドチョコレートをはじめ、カカオバターに合わせる砂糖や乳をキャラメル化させることで風味の異なるホワイトチョコレートが数種登場したり、大手チョコレートメーカーの技術の発達による新商品の市場投入も相次いだり、ということが重なり、部門の増加に拍車をかけました。 さらに、エスコヤマの周りにも瞬間高温高圧プレスや真空常温乾燥、プラズマ乾燥といった新しい技法で素材を開発されているメーカーさんが現れ、タブレットチョコレートに混ぜ合わせることが出来る素材として、エスコヤマオリジナルのフレークやパウダーなどを生み出せるようになり、新しいチョコレートをどんどん創作できるようになっていったのです。 実際、タブレットチョコレートだけで1度に15種類ほど出品したこともありました。 また、本コンクールの中心人物たちとの繋がりから、彼らが未知の素材を知りたがっていることを知っていたシェフ小山は、大徳寺納豆、万願寺唐辛子、壬生菜のフリーズドライや奈良漬けのフレークなどの和素材や、キムチといった変わり種の素材、柚子と青のり、日本のニッキ、きな粉と小豆など、カカオと様々な素材とのマリアージュを表現し、たくさんの金賞を受賞してきていたのです。 このような流れがありましたが、2018年からICAへの出品をストップ。 それにより、コンクールという性格上どうしてもマニアックな素材に進みがちだった部分から解放され、より自由でPOPで親しみやすく、それでいてチョコレートファンも頷くマニアックな要素も取り入れた表現を展開していくようになりました。そうして誕生したのがこのes-TABLETシリーズというわけです。“板チョコ”の自由さを限りなく追求した創作タブレットシリーズ世界的なコンクールへの出品&受賞を経て

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