「No.4 香茸麹 feat.坂本 健」も同じだ。 京都のイタリアンcenci。 そこで供された一皿に添えられた自家製の「香茸麹」に感動し、「ショコラに使いたい」と話したところ坂本シェフは気前よく提供してくれた。 本仕込み分は使用する時期を逆算して8月に仕込んだもので、「実際に使う頃には熟成が進んでまろやかになっていい感じになってますよ」と、元は自分が創り上げたものだが、ショコラで使用する分はショコラを創る僕に育ててほしい、と委ねてくれた。 また、乾燥香茸をつくるためのフレッシュな天然香茸を産地直送していただけるよう段取りをしてくれて「自分の役割はとにかく良いバトンを渡すこと」と、このショコラで伝えたいことを体現してくれているようだった。 「No.1」と「No.2」は対比すると面白い。 No.1の城氏と会ったのは二度。 大和橘への愛情は今も素材を通してビンビン伝わってくる。 その熱意に押されて、というわけはないが、前年の創作の終盤で気づいた大和橘の皮を焼いてその素晴らしい香りを活かすということを1年越しに実現せずにはいられなかった。 その逆でNo.2の北城氏とは一度も会っていない。 しかし、2017年から素材とショコラを通じて繋がり「ショコラと合わせるなら」「小山さんなら」と、経験と想像力を駆使して2021年も素晴らしいお茶を提案して下さった。 これら深掘りされた奥ゆかしい素材の魅力を包み込みボンボンショコラという宝石に変身させるチョコレート。 そのルーツであるカカオからのバトンも受け取った僕は、常に最良の受け手であり、繋ぎ手でなければならない。 また、繋いでいく上でエスコヤマのショコラティエ中川とのセッションも、バトンパスには欠かせない。 僕の頭の中にしかないイメージの段階から、とっかかりの方向性を定めるための試作、素材の味の出し方、コーティングの種類に至るまで、僕のイメージを確認しながら細部を決めるための実験を最後まで一緒にやり遂げてくれた。 さらに、このテーマを素晴らしいビジュアルで表現してくれた写真家の石丸氏の存在も大きい。 こうして皆から受け取ったいくつものバトン。 これからもとびきり美味しい作品にしてお客様に繋いでいくのが僕の使命だ。4個入り 税込 ¥1,728箱サイズ:縦10×横10×高さ3.5cm特定原材料等28品目:乳成分、りんご、大豆賞味期間:30日(20℃以下)小山 進SUSUMU KOYAMA’SCHOCOLOGY 2021Consept MovieSUSUMU KOYAMA’S CHOCOLOGY 2021
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