eskoyama

「採れたて、もぎたてのフルーツ」という言葉でイメージするのは「みずみずしさ」ですが、
このみずみずしさが保てる期間は、ごく限られています。
そして、「みずみずしい＝美味しい」とついつい結びつけて考えてしまいますが、
必ずしもこの方程式が成立するとは限りません。市場に出回っているみずみずしいフルーツの多くは、
私たち人間が勝手に設定した基準によって、見た目、味で選別されて「良い」と判を押されたものだけだからです。
では市場に出回っていないフルーツは美味しくないのかといえば、決してそうではありません。
そういった、市場には出回らないようなフルーツをできるだけ使い、美味しく仕立て、
より多くの方に召し上がっていただけるようなものにしようと考えて生み出したのが、フルーツゼリーでした。
ゼリーには、何といってもフルーツのイメージにも結びつく「みずみずしさ」があります。
また、ゼリーの中には果汁や果肉、果皮のコンポートを入れ込むことができます。
見た目が悪くても果汁が採れるものは、果汁だけでも使えます。果皮においても同様に、
市場に出すには小さいサイズだったとしても果皮はそのまま使えます。
しかも、フルーツによっては皮も美味しく食べられるように手を加えたほうが、
フルーツそのものの味を感じられるものすらあるのです。それは採れたてのフルーツでは逆にできないことです。
パティシエとしての視点で、生産者の皆さんから受け取ったフルーツたちの命と向き合い、
果皮、果肉、果汁などすべての要素が持つ可能性を一から考え、組み合わせ、味わいを引き出したのがこのゼリーです。
まずは食から「捨てる」を少しずつでも止めること。そして、「捨てる必要がない」ことに気づいていただくこと、
まずはパティシエとして、持続可能な社会へ向けてできることの一つとして、
「どんなフルーツも人の力で、捨てる必要がないくらい活かしきることができる、
そして美味しいフルーツのお菓子ができるんだ」ということを最大限伝えたい、そういう思いがこのアイテムには込められています。