エスブーランジュリーで毎日焼かれているフランスパンは、本場フランスでM.O.Fローラン・ダニアル氏の元で修業を積み、2009年からエスコヤマのブーランジェとして勤めているダミアンが、生地作り~焼き上がりまで担当しています。
「フランスパンは水が大事」と言われているのですが、その理由はバゲット、バタール、パン・ド・カンパーニュ等々、「フランスパン」と呼ばれるパンに使われる材料は、小麦、水、パン酵母(イースト)、塩のみ(モルト(麦芽糖)を使う場合もあります)だからだと言えます。それだけシンプルな材料から作られているパンですので、職人の腕ももちろん大変重要なのですが、材料の中でも多くを占める「水」も大事な要素なのです。そして、エスコヤマのフランスパンに使われているのは三田の水です。硬度は高くなく、「軟水(マグネシウムやカルシウムの含有量が60mg/l以下)」に分類されます。
「硬度の違う水、面白いと思う水があれば、そのたびにフランスパンを焼いてきた」というシェフ小山は、2016年の5月末、鹿児島県の喜界島の”滝川の泉の水”という硬水と出会ったときにも同じように、フランス人ブーランジェ・ダミアンに依頼し、バゲットを焼いてもらいました。すると、ダミアンはこう言いました。
「喜界島の硬水は、パリの水に似ている。自分が焼いていたときのフランス(ブルターニュ)の水は、三田の水(軟水)の方が近いと思う」
それを聞いた小山は、
「観光で少しだけ三田に立ち寄ったようなフランス人には絶対言えることじゃない。三田の地に生活の根を張り、何年も生活してきたダミアンだからわかることが、自然にエスコヤマのバゲットに宿っていたことに気づかされた。こんな話を聞けば、パリやブルターニュ、それぞれの地でまたバゲットを食べたくなる」
実は、フランス人のダミアンが焼いていたのは三田でしかできないフランスパンだったのです。
ブルターニュの水と水質が近い、三田の水から創られる”エスコヤマのフランスパン”をぜひお召し上がりください。