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世界のカカオと個性ある素材の出会いに魅せられて。小山進のクリエイションの結晶

SUSUMU KOYAMA’S CHOCOLOGY 2023

4個入り ¥1,836

賞味期限
30日(20℃以下)
箱サイズ:縦10× 横10× 高さ3.5cm
特定原材料等28品目:乳成分、りんご、大豆

Dissonance~緊張と弛緩~

poison 苦味のポテンシャル
ヒトや動物には“毒を示す味”として認識され、植物が自己防衛するために作り出すと考えられている「苦味」。甘味や塩味と比べると約1,000倍も感じやすい味覚要素である。子どもの頃は受け入れ難かったはずなのに、成長に伴い様々な食の経験を経ることで賞味できるようになり、大人になった頃、いつの瞬間からか自ら欲してしまうのは「この苦味は毒じゃない」と安全性を認識しているからなのだとか。本能的には“忌避される味覚”。だからこそ嵌まったら逃れられない中毒性が生まれる。

立体感ある味覚表現
僕は以前から苦味(渋味)を味覚構成上のアクセントとして積極的に取り入れてきたが、これまでとは表現方法の域が違う。というのは2022年、自家製のフルーツクーベルチュールを開発し、果実そのもののリアルな香味をストレートに表現できるようになったからだ。各パーツの力が強い分、何処か外れたような原因的味覚要素も大胆に、時にはグラデーションのように緩やかに表現することができ、創作に奥行きが広がった。
こうしてSUSUMU KOYAMA’S CHOCOLOGY 2023は多様な表情を魅せる「Dissonance」を主題に、新たな4種類を選出することとなったのだ。

不協和音の既成概念を崩せ
美味しい料理が五原味で構成されているように、口を歪めてしまいそうになる苦味もマリアージュさせる相手次第では全体のバランスを昇華させる肝要な役割となる。音楽界では、心が弛むように美しく響き渡る音程を協和音、不安定で緊張感を抱く音程を不協和音と指すのだが、現代のヒット曲には後者が多く使われており、そのコードが拓く世界観は壮大だ。単体ではネガティブな要素も扱い方次第では癖になるような化学反応を起こす。苦味と不協和音、これらの性質に共通性を感じ、ショコラから漂う口中香をギターコードとして

No.1 ジャスミンティー×苺 C7sus4
No.2 ベルベーヌ&カモミール+苺(グレープフルーツ&カンパリの刺激を加えて) Cadd9
No.3 ホップ&エキゾチック D9
No.4 献上加賀棒茶×フランボワーズ Fadd9

味覚を刺激し続けては人々を魅了していくDissonance。そのポテンシャルはNo.1~No.4を二巡、三巡と味わっていただくだけでも明確に現れることだろう。
13作目のCHOCOLOGYにガストロノミーショコラとしての可能性を込めて。


No.1 ジャスミンティー×苺 C7sus4

花と茶葉、植物の本能がもたらす苦味に
鮮やかな酸味を響き渡らせて


中国・四川省の標高1000mを超える高山で育った緑茶に、新鮮な茉莉花の香りを丁寧に移し取った「碧潭飄雪(へきたんひょうせつ)」。お茶を淹れたときの水色(すいしょく)を碧い湖「碧潭」に、湯の中に漂う純白の花びらをひらひらと舞う雪「飄雪」に例えて命名されたというロマンチックなストーリーを持っている。そんなジャスミンティーをペルー・チャンチャマイヨ産カカオが一層香り高く、フローラルに昇華。さらに苺の鮮やかな甘酸っぱさが、茶葉とインド・アナマライ産カカオから漂う心地よい苦味の余韻に反応して神秘的なハーモニーを響き渡らせた。

No.2 ベルベーヌ&カモミール+苺(グレープフルーツ&カンパリの刺激を加えて) Cadd9

苺に2種のハーブを閉じ込めて
時間差で奏でる酸味と苦味のアンサンブル


カカオと同じく南アメリカ大陸を原産地とし、レモンのように爽やかな香りを放つ「ベルベーヌ(レモンバーベナ)」。カマイメロン(大地の林檎)に由来し、りんごを思わせる甘い香りと仄かな苦味を持つ「カモミール」。この2種のハーブと苺をマリアージュ。底にはジューシーなパート・ド・フリュイを敷き、ベルベーヌに寄り添うようにピンクグレープフルーツの酸味を、カモミールの苦味と共鳴させるようにカンパリの刺激を添えた。力強く煌びやかな反面、咀嚼するほどに噛むほどにふわふわと浮遊していくような、何処か掴むことのできないようなニュアンスで。

No.3 ホップ&エキゾチック D9

エキゾチック、フルーティー、そして大人っぽく
日本産ホップに南国のニュアンスを添えて


京都府北部にある与謝野町で育った2種類のホップを使用。柑橘系の香りを持つ「イブキ」と、グレープフルーツを思わせる「カスケード」、後を引かないその爽やかな苦味とフルーティーなアロマに、深く焙煎した大麦をプラスすることで立体的な味わいを演出。そこに重ねたのはエキゾチックな雰囲気が漂う南国フルーツ。マンゴーのねっとり濃厚な甘味とパッションフルーツのトロピカルな酸味を巡らせて。フレンチ料理の1皿の如く複雑味と大人っぽさがミックスされた、ガストロノミーショコラらしい作品へと導いた。

No.4 献上加賀棒茶×フランボワーズ Fadd9

裏に潜在する香りのポテンシャル
赤いアクセントで垢抜けを


献上加賀棒茶は“茎”ほうじ茶のことで、葉よりも香り成分を豊富に含んでいる。香ばしいと表現されるピラジン類が主であるが、スズランのような「リナロール」、ローズを思わせる「ゲラニオール」も潜在。その個性を拾うように、華やかな酸味を持つバラ科のフルーツ・木苺とコーディネートすることで垢抜けたお洒落な味わいへと仕上がった。素材単体で味わっていては気が付かない、裏に潜んだポテンシャル。素晴らしいマリアージュを発見し、その訳を探り、深掘りすることでメカニズムを知る。この繰り返しと派生の連鎖で僕のクリエイションは進んでいくのだ。

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