17.10.13 (4/4ページ)
Vol.6

発見=新発見・再発見
〜終わりなき素材探求の旅〜

新しい出会いだけが発見ではない

今年の一番の収穫は、マリセルからの助言によって、改めて旧知の素材を見つめ直したことにある。ゆず、ふきのとう、大徳寺納豆… 知っているつもりでいても、まだまだ知らない素材のポテンシャルを数多く垣間見ることができた。そして、これが最高だろう…と思っていても、上には上の力のある素材が存在する。「人は常に勘違いの中で生きている」そう実感せざるを得なかった。自然と人のコラボレーションの可能性は無限大だ。さらに、そんなワンランク上のパワフルな素材どうしが出会うことで、その魅力は何倍にも膨らむということを改めて実感した。もちろん、カカオそのものも自然の一つに違いない。ますますカカオ探究の旅は続いていくだろう。

新しい発見だけが、「発見」ではない。 すでに知っているものをもう一度見直すことによる「再発見」もその一つなのだ。子どもの時に出会ったゆずと、大人になってから出会うゆずの味は、きっと違って感じられるだろう。しかし、本質的に変わらないものもある。今年は、身の回りの知っているモノ、慣れ親しんだモノと、もう一度向き合ってたくさんの作品を生み出すことが出来た。 素晴らしい素材を提供してくださった生産者の方々にはこの場を借りて改めて御礼を述べたい。そして、いくらポテンシャルの高い素材があったとしても、その力を最大限に引き出せるピンポイントな組み合わせを生み出すことが出来るのも、カカオ生産者の皆さん、そしてクーベルチュリエの皆さんのおかげであることも忘れてはいけない。サンマルティンにしても、生産者の方と繋がることができ、クーベルチュールとして手に入れられるようになったのは、いつも陰で支えてくださっている様々な方の協力があったからだ。

そんな皆さんのおかげで生まれた新しい作品のプロフィールを、今年もホームページやブックレットにて紹介させていただこう。2017年の後半から2018年にかけてのチョコレート・シーズンを、もっと深く、皆様に楽しんでいただくために。

パティシエエスコヤマ 小山 進

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