パティシエエスコヤマ研修旅行記2017

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Vol.15 5月14日 6日目:ハワイ島「Sushi Ebisuya」でのディナー WRITER:永井 孝典

 原材料管理課の大薮雅史と申します。
 入社2年目となり、初めて海外研修に参加させていただきました。
 今回は、カカオやバニラビーンズなどの産地としてのオアフ島、ハワイ島の側面を学ぶことができました。
 研修最終日となる5月15日の夜は、シェフのご好意で、マネージャー、管理本部 堀江さん、製造部 武村さん、山本和志さんの6人でお食事をさせていただきました。
 日ごろの業務でも管理本部、製造部それぞれと繋がりをもって業務を進めておりますが、業務を離れて、どのような話しが出てくるのかも楽しみにしておりました。

 シェフにご招待いただいたお店は、「Sushi Ebisuya」。
 ハワイ島ヒロのダウンタウンにある「Sushi Ebisuya」は、ローカルの方々に大人気のお店で、店内は日本の雰囲気があり、大変親しみやすい空間だと感じました。

 店内に入り、ドリンクオーダーをしようとして驚いたことは、メニューにアルコール類の項目が見当たらないことです。
 ハワイ(ヒロ)の人たちはお寿司を食べるときにアルコールは嗜まないのかと思い、店員さんに確認したところ BYOB (Bring Your Own Bottle) のお店で、簡単に訳すと「自分のお酒は自分で持って来てくださいね」というお酒類持ち込みシステムだそうです。
 ハワイでは飲食店でお酒を出すための認可取得が難しいため、BYOBの形式で経営されているところが少なくないそうです。
 そのため今夜のお酒は、シェフと山本さんが近くのKTAスーパーストアズ(スーパーマーケット)で選ばれた CORDON NEGRO スペイン カヴァのスパークリングワインで始まりました。
 泡の細かさ、キレのある酸味と華やかな風味で飲みやすく、お酒が弱くてもついつい飲んでしまいます。
 シェフは、日本酒はもちろん大好きだけれど、お寿司をを食べる時は途中から白ワインを飲むことが多いと話されていました。特に、お寿司を召し上がる際にシャルドネという葡萄の品種をつかったシャブリや、ソーヴィニヨン・ブランという品種をつかったサンセールを好んで飲まれるそうです。残念ながらKTAには、シャルドネはありましたが、ソーヴィニヨン・ブランはありませんでした。
 日本料理には日本酒が合うという固定概念にとらわれるのではなく、自らの舌で選んでいくことが大切であるというお話を伺い、私自身、お酒には弱い体質ですが、この日はお寿司と白ワインのマリアージュを楽しみたいと思っております。

CORDON NEGRO

 お料理は、お寿司でも日本人向けのものではなく、ハワイの人々に親しまれるようにカスタマイズされたローカル寿司が出されており、その中でも一番人気の「Ebisuya Sigunature Rolls」を含めて「Sashimi Combo」、「Roll Sushi Combo」をオーダーさせていただきました。
 お料理を待っている間に、まず、お通しで出されたのが枝豆と“緑色の海草と思われる”?ものでした。
 枝豆は日本でも親しみのある味で、思わず日本にいるのではと錯覚してしまいました。

Edamame

 次に、“緑色の海草と思われる”ものですが、一口食べると、海草のコリコリした食感とごま油の良い香が広がり、シェフも「美味しい」との一言。すぐさま追加でオーダーを入れました。
 海草はワカメでした。
「Hiyashi Wakame」という料理で、ハワイの人たちに親しまれている一品です。

Hiyashi Wakame

 お料理の順番は、あっさりしたものから順に出していただくことになっており、まずはお刺身からいただきます。
 「Sashimi Combo」では、ローカルの新鮮なマグロ、サーモン、ハマチ、しめ鯖があり、肉厚にカットされていても、口の中でとろける様にひろがり、ワインとの相性抜群です。

Sashimi Combo

 そうこうしているうちに、ワインも2本目に入りました。
 2本目はカリフォルニアのティスディール(シャルドネ)、白ワインです。
 まろやか、フルーティな味わいで爽やかさを感じることができ、これもまたお魚に合うワインです。

TISDALE CHARDONNAY

 続いて、待望のロール寿司が登場です。
「Roll Shushi Combo」
 Tuna、Doragon、Alasukan 、California、Hamachiのロール寿司の盛り合わせです。
 鮮やかな盛り付けに劣らず、それぞれ新鮮な魚やエビフライとアボガドがマッチした贅沢な盛り合わせです。

Roll Sushi Combo

Ebisuya Sigunature Rolls

 次のEbisuya Sigunature Rolls はAkebono Roll、Thai Stick Roll、Volcano Tuna Rollの一皿です。
 Akebono Rollはエビ天ぷら、アボガド、きゅうり、クリームチーズが巻かれ、新鮮な鮪がトッピングされており、香ばしさとまろやかな味です。
 Thai Stick Rollは、Akebono Rollの具材に加えて、コリアンダー、ミントが巻かれ、エビがトッピングでThaiChiliのアイオリソースがアクセントとなる美味しさです。
 Volcano Tuna Rollは、鮪とアボガドが巻かれ、さらに敲き、マサゴの卵とスペシャルソールがトッピングされたもので、ハワイ島の名所である火山(Volcano)を冠したスペシャルな一品です。
 一番人気であるのを納得させられるEbisuya Sigunature Rolls でした。

 食が進むとともに、ワインも進みます。
 3本目のワインは堀江さんが購入担当に抜擢されました。
 シェフから2本目に引き続きCHARDONNAYでも(2本目とは)違うものをという命を受け、堀江さんが購入に走りました。
 出かけてすぐに、カバンに入れていたパスポート(身分(年齢)確認のため)を取りに戻って来るという場面もありましたが、無事ミッションは達成されました。
 KTAスーパーストアズではCHARDONNAYをつかったワインの種類が多かったようです。KTAオリジナルのワイン、こちらもシャルドネの特徴である、コクがありフルーティーな味わいで、非常に飲みやすく、美味しいワインです。

 続いて最後に出していただいたお寿司は「Train Wreck」です。
 クリームチーズの入ったカリフォルニアロールがフライされ、鮪のたたき、天かす、マサゴの卵がトッピングされ、ニンニクのアイオリソースでまとまられています。

Train Wreck

 お寿司が揚げられることでカリカリと香ばしい食感と風味にトロリとしたクリームチーズの味が合う新感覚のロール寿司です。
 日本料理であるお寿司がハワイという異国の地でカスタマイズされて、多くの人々に親しまれていることを象徴する一品であるのではと感じました。
 どのロール寿司も美味しいのですが、私はこのTrain Wreckが一番好きになりました。
いうものを作ってきた人をとりあげないと、本来の”寿司”というものを伝承できない」ともおっしゃられていました。

 今回、シェフ、マネージャーと一緒にお食事をさせていただき、初めから最後まで緊張の連続でしたが、シェフのご家族や仕事に対する姿勢について伺うことができ、大変貴重で楽しい時間となりました。

 今回の研修全般を通して、原材料産地を見学させていただき、原材料管理という立場から、スイーツも含め食全般について多く学ばなければならないこと、研修先の国で学ぶと同時に自分の国も振り返ることが必須であると教えていただきました。
 貴重な研修体験を持ち帰り、より多くのお客様に喜んでいただく商品を提供させていただけるよう日々精進してまいります。

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