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Vol.16

持続可能なモノづくり
~What is the true meaning of sustainable?~
サステイナブルの真の意味とは?

ときには誰が作ったか分からずに使わなければいけない材料もある。「そういったものは使わない」と言ってしまってはお菓子づくりが成り立たない。だから、「脱プラ」にしたって、何でもそうで、「オーガニックが良い」と言っても、それが出来たら良いことは分かっているが、「完璧じゃないとやらない」ではなく60点でもいいから、今はこれしかできないことを理解して、その上で意識と意思を持ってできることに全力で取り組むほうが自然で無理がない。 全ての素材の生産者とは出会えないけど、出会ったときにはちゃんとモノづくりの会話ができるようにしたいなと思っている。

自分の前作を超える
~持続可能なモノづくり~

あるとき、音楽家の小林武史氏が「次の世代のアレンジャーを加えて曲を作り、次の世代を持ち上げることも、もしかしたら持続可能な社会の実現に必要なことなのかもしれない」とおっしゃっていた。 その話が頭に残った状態で、「SDGs音楽特番」というテレビ番組でたまたまユーミンとKing Gnuの常田大希氏が対談されていたのを観た。


そのなかで「えぇ、あの曲をそんなふうに解釈してたの?!」というシーンがあった。 そこが面白くてすごく印象に残っているのだが、1つの楽曲の解釈が世代によって違うからこそ、全く違う何かが生まれるんだなと思った。 これが小林氏がおっしゃっていた「持続可能な社会の実現に欠かせない要素」なのだ。


今、僕たちが行っているモノづくりが自由で美味しくて素敵だったら、それに影響を受けた人たちが次のクリエイトをするという連鎖が生まれ、モノづくりを持続可能なものにしていく。 本当に美味しくて素敵なものをつくって、それを超えようというエネルギーがいろいろなところから生み出てくることが、僕たちができる一番の「持続可能なモノづくり」だと思う。

だから、僕たちは、良い作品をつくり出さなければならない。 これは自分自身にも言えることで、自分が自身の前作に影響を受け、それを超えようという意思が続いていかなければならない。そうして、今年の作品が来年の、また再来年の作品に続いていく。 それがまた次代のクリエイターに影響を与え、新たな良い作品が生まれる、ということに繋がっている。


エスコヤマの店づくりも、「子どもたちにビックリするものを見せたい」「子どもたちに手で触れさせたい」という意思が込められている。 それを感じ取ってくれた次代のクリエイターである彼らが、もっとすごい物を創り出してくれたらいいなと思って、僕は今も創作を続けている。


2021年5月5日 小山 進

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