Vol.6
18.5.18 (2/3ページ)

2日目:「AMERIA」でのランチ

さて、厨房を見学させていただいた後、席に戻ると、一皿目の料理がやってきました。お料理はコースをお願いし、さらに今回、お店の方に料理ごとに合うワインをセレクトしていただき、料理とお酒のマリア―ジュを楽しむことができました。

1品目は、炭火で焼いたネギと生ハムをアスパラのソースでいただく一皿でした。じっくり焼かれたネギの甘みと生ハムの塩味のバランスがとても良く、アスパラのソースが料理をまとめ上げています。さらに驚いたことに、生ハムとネギでムール貝が隠されており、そのムール貝の濃厚さがより一層美味しく感じさせてくれました。小山シェフも「美味しいなぁ、次のお皿も期待してしまうな」とおっしゃっておりました。

2品目は、炭火で焼いた鯖の上に薄く切ったビーツ。葉っぱの形をしたチュイールが乗っており、その周囲に生クリームとチャービルのオイルが敷かれている料理でした。私は今まで、ビーツを野菜ジュースでしか味わった事がないので、初めてこの日ビーツそのものを味わうことができました。炭火の香りがついた鯖と少し歯ごたえがあるビーツ、チュイールの甘み、またチャービルのオイルの香りが重なり合い、香り、食感と、とても美味しくいただきました。

3品目は、手羽のチキンと2種の玉ねぎを卵黄と玉ねぎのコンソメのソースと絡めて食べるものでした。見た目と材料だけでどのような味なのか前の2つの料理より想像しやすいものだと思いましたが、その想像をはるかに超える味でした。チキンの皮がパリッと焼かれており、玉ねぎの甘み、卵黄の濃厚さと、ソースの玉ねぎの甘みとコンソメの味がとても美味しかったです。チキンと玉ねぎは私の好物なので、とても好きな料理になりました。小山シェフも「食感のコントラストが素晴らしい。甘みの使い方も絶妙だ」とおっしゃっておりました。

4品目は、イタリアンパセリのリゾット。料理がきた瞬間、見た目の色合いに圧倒されましたが、提供していただいた時の香りの素晴らしく、とても印象に残っています。パセリの魅力をそのまま引き出したような味わいで、上に乗っている黒米のパフとつぶ貝の食感と濃厚さが相まって、とても美味しかったです。

5品目は、三枚豚をじゃがいものソースとコンソメソースでいただく料理とブーダンノワール(血のソーセージ)をチュイールで挟んだ料理でした。じゃがいものソースとコンソメソースが濃厚でもなぜか重たくなくて食べやすい一皿でした。また、初めてブーダンノワールを食べましたが、ソーセージに血液を混ぜたものと知った時は、どんなものなのか想像できなくて、恐る恐る口にしたところ…、びっくり!臭みなどなく、ソーセージとレバーの間のような食感と味に感動しました!

6品目は、先程写真でもご紹介した、焼き方を調節することができるグリルを使用し、炭火の遠火でじっくりと温めたパンに牛の骨髄を炙ったもの・オリーブオイルを固めたもの・バターの三種類を塗って食べるひと品です。牛の骨髄は海外では定番もので、小山シェフも「美味しい料理を作る料理人たちの間ではよく知られているメジャーな食べ物で、実際とても美味しいものだ」とおっしゃっておられましたが、私にとっては初挑戦。ブーダンノワールはあくまでも「ソーセージの一種」と考えることができたのですが、この骨髄はどんなジャンルとして捉えればよいのかまったく想像がつきませんでした。こちらも恐る恐る食べてみたところ、プルプルとしたゼリーのような食感と濃厚で、外はパリパリ、中はモッチリとしたパンを美味しくさせてくれました。オリーブオイルやバターを塗っても美味しいのですが、骨髄は格別に美味しかったです。

7品目は、炭火で焼いたヒメジと旬のアーティチョークにじゃがいものソースとアーティチョークのソースをかけて、鱒の卵があしらわれた一皿でした。ヒメジの皮が鮮やかな料理ですが、ヒメジやアーティチョークも私は口にしたのが初めてです。絶妙な火入れから生まれるヒメジの柔らかい食感と旨み、優しい甘みも感じてアーティチョークの苦みがその甘みをより引き立ててくれていました。

8品目は、牛の心臓側の胸腺のグリルにバルサミコソースをかけて、青唐辛子の酢漬けを乗せた一品でした。プリプリとした食感に、トロッとした口どけと濃厚な味わいの胸腺をソースと唐辛子の酢漬けの甘みや酸味、辛味が絡み合ったマリアージュを楽しむことができました。付け合わせの人参のソースもさっぱりとして美味しかったです。


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