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テロワールとは
「土地」を意味するフランス語terreから派生した言葉である。もともとはワイン、コーヒー、茶などの品種における、生育地の地理、地勢、気候による特徴をさすフランス語である。 同じ地域の農地は土壌、気候、地形、農業技術が共通するため、作物にその土地特有の性格を与える。そこから、広義に解釈し、今回の場合、場所、気候、環境などすべてのそのものを取り巻くすべての環境条件という意味をイメージしていただければ幸いです。
今年も南米。国はペルー。
目的はカカオの産地巡りはもちろん、今回はICA(International Chocolate Awards)のPeru round(ペルーラウンド)があるのですが、そこで小山シェフは審査員をし、また、チョコレートを使ったお菓子を作るデモンストレーションを行う、というミッションがあります。
今回の旅が決定したのは出発から約一か月前。調整がつきペルー行きが決まりました。ペルーの外務省、農業省との調整を行い、しかもデモンストレーションも企画してくれたのはこの旅に同行してくださる札谷さんです。
札谷さんは、彼女の経験と感性によって世界中のチョコレートを日本に紹介するイベントを大手百貨店と企画したり、ICAの審査員も務めておられるチョコレートソムリエ。渡航が決まったものの現地大会本部からラフのスケジュールを頂いたのは1週間前。そして、そこから詳細のスケジュール(ペルー国内の移動の方法や日程に関して)は渡航前日に連絡がありました。
札谷さん曰く、「まあ、連絡が来るだけましですよ。とりあえず、行けばどうにかなりますよ」。さすが、現地を飛び回っているだけあって、肝が据わっています。
ペルーへは、ロサンゼルスを経由し、首都リマに到着します。約22時間の旅。コロンビアより少し近い。リマに到着したのは、深夜0時。空港には、リマ滞在の間、通訳をしてくださる太田さんが迎えに来てくれていました。太田さんはペルー育ちの女性で、日本とペルーの2か国の国籍を持っていらっしゃいます。深夜に迎えに来ていただくのは申し訳ないですが、とてもありがたいです。
コロンビアやマダガスカルもそうですが、深夜に到着すると、こういった国々は普段以上に悪そうに見えます。照明のせいかもしれませんが、タクシーの客引きの人は皆、ギャングの一味に見えてしまいます。リマは、夜は気温が10度ぐらいにまでなるので、少し寒いのですが、なぜか、皆ダボっとした黒いレザーのジャケットを着ている(流行っているのかもしれませんが)のです。そのジャケットがいい感じに怖く見えるんですよ。
太田さんが用意してくれたホテルの専属タクシーに乗り込み、空港を出発。ホテルに向かいます。移動の車中、明日の予定を確認しながら、ペルーの治安やお金の事情を教えてもらいます。車窓からは、オレンジ色の街灯がとぎれとぎれに埃っぽいレンガの壁を照らしている様子が見えます。その景色はコロンビアの首都、ボコタを思い出させてくれます。ちなみに、最近流行っている犯罪は、首絞め強盗と車中の携帯電話泥棒です。首絞め強盗はその名の通り首を絞められ、その間に持ち物を奪われる原始的なやり方で、車中の携帯泥棒は運転しながらの通話をしていると、外から窓ガラスを割って、通話中の携帯を奪うというものらしいですが、どちらかというと、首絞め強盗だけは絶対遭いたくないですね。
ホテルは新市街にある安全そうな地域のホテルでした。ロビーには強烈な芳香剤の香りが漂っていますが、その香りは産地に来たときに一度は匂う、現地の洗礼みたいなものだと思います。
ホテルのサービスの方がタクシーから荷物をホテルに運びこんでくれます。我々がチェックインを済ませたのは深夜の2:00頃。今日は皆移動疲れがあるので、明日の朝は10時出発ということになりました。しかし、ペルーの深夜2:00は日本時間で16時。疲れているけど、目が冴えて寝れる気配がしません。
次の日は案の定、皆寝不足ですが、ホテルのロビーから見える朝の明るいリマの風景についテンションがあがります。ロビーでは通訳の太田さんが車を用意して待ってくださっていたので、早速車に乗って会場に向かいます。
「今年も来たねー。やっぱり年に一度はこういった国に来ることは大事なことやな」と小山シェフは車窓から見えるリマの景色を眺めながら、感慨深そうに話しています。
確かに、こういう国に来ると毎回いろんなことを考えさせられます。貧富の差、治安の事、衛生面、子育ての事。日本では当たり前の事が通じない国に来た時、我々の日常にある当たり前の平和をとても有り難く思う反面、産地で出会う人たちの生きる姿や、子どもたちの笑顔は、我々が人間の底力みたいなものを失いつつあることを気づかせてくれます。
車に乗って20分くらいで会場に到着。車はなかなかの混みようでしたが、ラッシュ時はもっとひどいと通訳の太田さんが教えてくれました。
会場は、思いのほか立派な建物で、コロンビアもそうですが、南米の国々の首都、特に新市街地はもはや第三世界の雰囲気ではありません。近代的な建物が立ち並び、警察官やセキュリティーの人々が沢山いて、治安も想像以上に良さそうに見えます。そういった場所は外資系企業が集まり、ショッピングモールや公園などが整備されています。会場はモダンな建物で、そのあたりに官公庁の建物が多いそうです。本を重ねたようなビルが会場の横に建っていたのですが、これは教育省の建物らしい。なるほど〜。そして、その横にはインカ時代のピラミッドの遺跡が横たわっていました。さすがペルー。
会場に到着後、とりあえず、記念撮影。