エス コヤマの雑草抜きの講習会を初めてもう5回目ぐらいになるでしょうか?第一回目はとても緊張したことを思い出します。あれから、毎年、社員の皆さんが海外研修に行く間の一日を使って新人研修として庭師の雑草抜き講習会を開催してきました。
雑草抜きと一口にいっても雑草を抜くのは決して容易なことではありません。どれが雑草か知らなければならないし、雑草によっては抜き方も違います。
また、講習会は雑草抜き以外にも掃除の仕方や植物のお水のあげ方も教えます。
「大げさなこと言って」って思うかもしれませんが、これが本当に難しい。何となく掃除してもお庭はきれいになりませんし、お水やりなどはある程度知識と経験無くしてはきちんとしたお水やりはできません。我々庭師でも作ったばかりのお庭では新人にはお水やりをさせません。植えたての場合、しっかり水をあげないと植物は枯れてしまいますからね。しっかりとしたお水やりが出来て初めてお庭の植物がきれいに見えたり、美しい紅葉が出来るのです。一日ではありますが、エスコヤマに入社したからには、しっかりといろんなことを身につけてもらわなければなりません。
しかし、この研修の目的はそれだけではありません。この講習にはとても大事な目的があります。それは、
「普段きれいに見えるお庭も日々の地味な作業の積み重ねがあって初めて維持されているということを新入社員の方々に知ってもらうこと。」です。
この考え方はコヤマシェフが本当に大切にしている考え方です。意外とシンプルでしょ。こう聞くとすぐに「ああ、そんなことわかってますよ。」と言いたくなるほどシンプルな内容ですが、なぜかこれを理解するのも伝えるのもとても難しい。正直いって、このメッセージを伝えようにも、まだ私自身がそれを本当に理解出来ているのか怪しいところです。
それでもコヤマシェフは「お前からもその大事さを彼らに伝える手伝いをしてほしい。」と言います。「まだ100パーセント出来ていなくても、そこに向かって努力している姿勢があるならその大切さはわかるはずだから、学ぶ道の途中にいるお前だから出来る方法で新人たちにその大事さを伝えて欲しい。」と言われました。それが、この雑草抜きの研修の始まりでした。あれから、5年。研修内容は毎年違います。まあ、雨の時もありましたが、毎年今までの反省を生かして、次の年の研修を考えるようにしています。しかも、研修が終わった日に来年の研修の内容を考えるようにしています。(余談ですが、これはコヤマシェフの仕事の方法から学んだことです。コヤマシェフは毎年行われる季節のイベントや催事などがあると、必ずそれを行っている最中に翌年のそのイベントのことを考えます。それは今年行って見えてくる反省点を一番感じているまさにその時が一番次にやらなければならないことを見えるからだそうです。
鉄は熱いうちに。
そのやり方をいつも横で見させていただいたので、急成長を遂げた様にエスコヤマのことを思う方も多いとは思いますが、それはそれは地道な繰り返しの連続だったと私は感じています。
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