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年が明け、シェフから煙突回りのデザインの修正が必要だったのでその作業に鐡音工房の村山さんが来てくれた時のことでした。
「しばらく使ってみてどうですか?」と村山さんがシェフに尋ねると、
面白い答えが返ってきました。
「(この薪ストーブは)デザインもすごくいいし、鉄の質感自体も好きですね。すごい気に入っていますよ。でも僕がこの薪ストーブそのものが面白いと思いました。薪ストーブって火をともし続けないと、あったかくならないんですよね。そのためには薪をくべ続けないといけない。今、一年目のスタッフが普段の仕事の合間をみてみんなでストーブの火を管理していますが、誰かひとり薪をくべるのを忘れたら火が消えてしまう。それってバトンをつないでいるみたいなものですよね。僕は薪ストーブのそんなところが好きなんです。ここエスコヤマの日常に行われている仕事は、すべてこの薪ストーブの火といっしょ。僕が手渡したバトンをスタッフ自身がしっかり次につないで火をともし続けること。その大事さをみんなにわかってもらいたい。そういう意味でこの薪ストーブの火はとてもわかりやすいんです。でも勘違いしてはいけないことは、お客さまに暖かさを届けたいという気持ちとともにこのバトンをつないでゆくこと。ただ、火をともし続ければいいというわけではないんです。」
と、仕上がった薪ストーブを前に鐡音工房の村山さんと話していました。
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