パティシエ エスコヤマ研修旅行

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es koyama IN FRANCE 2015

Vol.15 5日目 パリフリータイム~サン=ジェルマン=アン=レーでのパティスリー・ショコラトリー巡り WRITER:白坂 優子

こんにちは、ショコラ担当の白坂優子です。
5/16、研修5日目はフリータイムについてレポートさせていただきます。

この日は朝から気合いを入れてパティスリー・ブーランジュリー巡りをしました。
スタートは、パリから郊外列車(RER線)で西へ約20分ほどの街・サン=ジェルマン=アン=レーです。
この街に、ショコラトリー「パスカル・ルガック」と「パトリック・ロジェ」があります。
「パスカル・ルガック」は、元々フランスの老舗ショコラトリーの「ラ・メゾン・デュ・ショコラ」で働いていたルガックさんのお店です。ボンボンショコラは口溶けの良いガナッシュで、フルーツを用いたものもそのフルーツの味がしっかりするので大好きなショコラティエの一人です。
また、「パトリック・ロジェ」のショコラも、日本で購入するのはとても高価なことと、雑誌でしか見たことのないお店を実際に見てみたかったので、今回、この街へ行くことにしました。

駅に着いたら、目の前にはキレイに角刈りされた木が立ち並ぶ公園が。フランス国王、ルイ14世が生まれたお城のお庭の様でした。

とりあえず、「パン通り」という通りを目指し歩いていると…ルレ・デセール会員の”GRANDIN”というお店を発見!
ルレ・デセールとは、フランスで創設されたパティシエ、およびショコラティエが組織する協会で、会員になるためには、①現役会員二名以上から推薦を受ける ②実技試験に合格する その2点をクリアしなければいけないため、
「ルレ・デセール会員」のお店となると、期待も高まります。

ショーケースにはたくさんのケーキやパンが並んでいます。
ここではエクレールカフェとブリオッシュを購入。
クリームはとっても濃厚、生地はバターの香り、表面にはフォンダンがたっぷり…ザ・パリ菓子です。

次は近くにあった、フランスの作曲家・ドビュッシーの生家を目指しました。クラシック音楽はあまり知らない私でも、ピアノ曲「月の光」などは聴いたことがあります。直筆の楽譜などが展示してあると書いてあったので、ぜひ見てみたかったのですが、残念なことにまだオープンしていなかったので中庭だけ見せていただきました。1階は観光案内所になっていました。

ブラブラ歩いていると、”OSMONT”というショコラトリーを発見。ここもMOF(フランス国家最優秀職人)のお店です。全く知らないお店ですがこれも勉強。とりあえず気になるボンボンをいくつか購入しました。

・ラムレーズン:ラムの効いたガナッシュに細かく刻んだレーズンが入っていました。 ・セザコ(ごまとココナッツ):ごまとココナッツのプラリネです。ごまの香りの後にココナッツの風味がやってきます。
・シチリアン(ピスタチオのマジパン):マジパンにピスタチオペーストを練り込んだもの。香りの良いシチリア産ピスタチオとマジパンが好相性でした。
・フリエ(ライムとバジル):ホワイトチョコレートベースです。ライムの爽やかな風味の中に、バジルが香ります。
帰国後、小山シェフと試食をしましたが、「今回食べた中で、ここのボンボンショコラが一番美味しい」とおっしゃっていました。

歩き続け、気になるお店を見つけてはちょいちょい味見。
ベーグルはいつも目にしているものより粗い感じのものです…

そのままブラブラしているとパトリック・ロジェを見つけました。店内には、やっぱり芸術家‼と思わせる商品たちが並んでいます。石の塊に見えるこの物体は何とプラリネらしいです‼

ここではバンドゥース(販売員)のお姉さんがいっぱい試食をさせてくれました。
どんな味か説明してもらいながらボンボンを選びました。
・オーツ
・セイロン
・コルシカ(オレンジピール)
・レモンとバジル
オレンジピールは他のお店と比べても、特に変わった感じはしませんでしたが、ボンボンのガナッシュは滑らかな口溶けでカカオの味と素材の味を両方しっかりと楽しめました。
小山シェフには、コーティングのチョコレートの役割についてお話していただきました。
ヨーロッパのショコラの中で、安定した表面、サイド、底のほぼ均等なコーティングは、そう簡単に見られるものではなく、何よりもコーティングの意味合いをきちんと理解している数少ない人の一人だとおっしゃっていました。
エスコヤマでも、コーティングについてはショコラの「余韻」を決定する上で大変重要なものだと考えています。

駅を出て反対側はまだ巡っていなかったので、そっちへ向かって歩いて行くと中華のお惣菜屋さんが‼
朝から甘いものばかり食べていたので、だったので箸休め的につまみ食いです。
海老の春巻きで、ほっとする味でした。

近くには目的のお店、パスカル・ルガック!お店に入ると見慣れたボンボンがショーケースに並んでいます。

バンドゥースのお姉さんにエスコヤマから来ていると名乗ると、ルガックさんを呼んできてくださいました。
気さくなルガックさんは、スペシャリテであるキャラメルサレのボンボンを試食を進めてくださり、パンフレットにサイン、そして写真まで一緒に撮ってくださいました。(さりげなく、「パトリック・ロジェでは何を買ったの?」と私達が持っていた紙袋の中を覗いていました。)

ルガックさんのお店を出て、目の先に気になる建物を発見。外壁には『boulangerie』と書かれていたので行ってみると、日本にも出店しているゴントラン・シェリエさんのお店でした。ここのパンは何度か食べた事があったのと、お腹もそこそこいっぱいだったので今回はエクレールだけ購入。さっきはカフェだったので今度はショコラ。生地は他のお店では食べた事ないようなちょうどメロンパンのような感じでした。正直…味は普通でした。

そろそろもう一人のメンバーと合流する時間が近づいてきたのでパリに移動し、
ここでも食べ歩き!メンバーも一人増えたので食べられる種類も増加!
ピエール・マルコリーニやアルノー・ラエールは眺めるだけにしておいて…

お惣菜が美味しそうなジェラール・ミュロでサラダやキッシュを購入。ご本人も店内で忙しそうに働かれていました。
野菜が新鮮でおいしい‼

雑貨屋さんを巡りつつ、次の目的はカール・マルレッティへ向かいます。
過去にはパリの「パティスリー・オブ・ザ・イヤー」にも選ばれたことのあるお店で、洗練されたおしゃれなお店です。
小さなお店にお客様がいっぱい並んでいました。

ショーケースには色鮮やかなケーキが並んでいましたが夕方だったので、売り切れている物も多数…並んでいるものはどれも食べたいので、やや小ぶりのサイズのケーキ9種のアソートのようなものとモンブランを購入。
近くの公園でのんびり味わって食べました。

全て完食‼
フランスのパンは、粉やバターの違いなのか、どれを食べても美味しかったです。ケーキは、日本と違い、どっしりと甘く濃厚なものが多いように感じました。色の発色が良すぎるくらい色鮮やかで、ローズやスミレなど、香り系のケーキも多くありました。 これまでにフランスに来ることは何度かありましたが、料理もお菓子も本場のフランスのものを食べる事で、フランスの素材は勿論ですが、日本の素材の奥深さや良さを改めて感じる事が出来ました。
ふきのとうなどの山菜の苦味、柚子や金柑、日向夏の酸味や苦味、ワサビのツンとした辛味、山椒のピリッとした辛味など、ほとんどの素材には各々の持つ香りの他に様々な五味を感じることができます。
普段はショコラを作らせていただいていますが、まだまだ味覚に関して勉強が足りていません。もっといろいろなものを食べて味覚を磨いて自分でゼロから商品を生み出せるようになりたいと強く感じました。