パリ2日目、フリータイムのレポートを担当させていただきます、ブーランジュリー所属の下川晃弘です!
今年で入社2年目の私は、今回が初めての海外研修です。海外での貴重な自由時間をどのように過ごすか、あとで後悔のないように入念に下調べをしてこの日に臨みました。
まず、朝はホテルの朝食ではなく、宿泊していたホテルから歩いて10分ほどのところにあるMaison Landemaine(メゾン・ランドゥメンヌ)に行ってきました!
こちらは、パリで一番行ってみたかったブーランジュリーです。
パン職人の石川芳美氏と、パティシエとして活躍する夫のロドルフ・ランドゥメンヌ氏の二人が2006年にパリでスタートされ、オープン以来、毎年出店を増やし、現在ではパリ市内に8店舗を展開、更に、2015年3月30日には、東京・麻布台に海外第一号店をオープンされています。
季節感を大切にしたコンセプトと、品質の良さが評価されて、パリのグルメガイド“ピュドロ"にて、ブーランジュリー・オブ・ザ・イヤーパリ(パリ最高パン屋賞)を受賞。
2013年にはフィガロ紙においてパリで最もおいしいクロワッサン第3位に、そして今年はパリで最も美味しいエクレア・ショコラにも選ばれたという実力です。
期待に胸を膨らませ、朝の空気と街並みを楽しみながらのんびり歩き、お店にたどり着きました。
お目当てのクロワッサンは2種類ありました。一つは三日月型の普通のクロワッサン、もう一つはバターが多く入っているのでしょうか、バタークロワッサンという名前で、普通のより少しお値段が上でした。2種類とも購入し、食べ比べをした結果、もちろんどちらもとてもおいしかったのですが、バタークロワッサンの方がコクが深くて私はこちらのほうが好みでした。普通のクロワッサンもバタークロワッサンも、日本のクロワッサンに比べて油脂がとても多く、崩れてしまうほどにサクサクに焼き上げられているので、食べたときの「ザクッ」という美味しい音と食感、ジュワーっと広がるバターの深いコクがもうたまりませんでした。これだけでも、パリにこれてよかったと思えるほどです。
しかし、エスコヤマのクロワッサンも全然負けていません!私は、まだ働き始める前にエスコヤマのクロワッサンを初めて食べた時から大好きです。このクロワッサン、小山シェフのご友人でもある「スイーツの魔術師」フィリップ・コンティチーニ氏がエスコヤマを訪ねて来られた際に、クロワッサンを召し上がり、「これはこれまで私が食べた中で一番美味しいクロワッサンかもしれない。私が理想とする、新たな目標が見つかった」とおっしゃったと伺いました。ぜひ、皆様にも召し上がっていただきたいです。
さて、素敵なモーニングを過ごした私は更なる美食を求めて、パリ・リヨン駅をあとにします。
メトロに飛び乗り、目指すはパルマンティエ駅近くにある、Le Chambelland(ル・シャンベラン)というブーランジュリーです。
こちらのお店はオーナーのひとりである、生物学者のトマさんの並々ならぬ研究から生まれた、米粉からつくられたグルテンフリーのパンが並んでいます。有名レストランのシェフからも注文が来るということで、どんな味なのか楽しみにして訪れました。
店内には大きな分厚い四角に焼き上げられたパンがあり、とても硬そうな印象を受けました。
生地そのままの味を知りたかったので、ベーシックな米粉パンを購入しました。
そのまま食べるには少し味が物足りないといった感じでしたが、他の人が購入したシナモンの米粉パンはおいしかったです。
外はカリッと、中はもちっとした食感で、お米を食べているような感覚でパンを食べることができます。
エスコヤマにも米粉パンがあります。グルテンフリーではありませんが、米粉パンとしてはエスコヤマのほうが日本人向けでおいしいと感じました。
グルテンフリーとは、グルテンを使わない食事療法のことをいいます。元々、グルテンフリーはセリアック病や腸の疾患を予防したり改善を図るために生み出されたものです。しかし、特にアレルギー体質ではない健康な人々が、この療法を取り入れたところ、体の調子がよくなったとの口コミが広まり、最近になり注目されています。グルテンフリーのパンはこれから知っておいた方がいいアイデアの一つだと感じ、いい勉強になりました。
2件続けてパン屋さんを訪れた私が次に向かったのは、パリの市場マルシェ・ラスパイユです。
レンヌ駅を降りてすぐに市場が広がっており、すごい人でした。
毎週日曜日に開かれるマルシェ・ラスパイユは、パリ市内で最も有名なビオ(自然農法)のマルシェです。見たこともない野菜や、見慣れていても大きさや形が全然違う野菜や果物、たくさんのコンフィチュールにチーズやお花やパンや化粧品、お肉に魚までも。目移りしすぎてどれを買おうかなかなか決められませんでした。全部ビオでクオリティが高い分、少しお高い値段となっていましたが、うまくフランス語を話せたら値切れそうな雰囲気で、気さくな店員さんばかりでした。
市場の最終地点にはお好み焼きのようなものが実演販売されており、長い列に並んで購入しました。
シンプルな味ですが、出来立て熱々でとてもおいしかったです。
大きなホワイトアスパラガスや珍しいコンフィチュールなどをぶら下げて、お次に向かった先は、ヴァンブ蚤の市です。ポート・デ・ヴァンブ駅を出てすぐに広がっていました。
すでに店仕舞いを始めているところもありましたが、先に進むとまだまだ開いているお店がたくさんありました。少し怪しげな人もいましたが、パリならではのいろんな雑貨や食器、絵画などが並んでいるのを見て回るのは、とても楽しかったです。掘り出し物を探したりするときには、朝一番に早く来たり、小物が入っているカゴの中をゴソゴソ探したりすると、見つかったりするそうです。アンティークが好きな方はとても楽しめるところですね。こういうときにフランス語が話せたら、値段交渉とかお店の人とのやり取りが出来てもっと楽しいのに、と思いました。
さて蚤の市をまったりのんびり散策した後は、またメトロを使い、あの有名なエトワール凱旋門の方角に向かいました。
凱旋門に着く手前に訪れたのは、日本をはじめ世界中に店舗をかまえるフランス紅茶の老舗「Mariage Frères」マリアージュ・フレール。
壁一面に並ぶ500種類以上のフレーバーから店員さんと相談しながらお気に入りのフレーバーを見つけるクラシックなスタイルのお買い物が楽しめます。紅茶の他に、詰め合せセットや素敵なデザインのティーカップやティーポット、オリジナルの紅茶菓子(チョコレートやクッキー、ティーシュガー、ジャムなど)も購入できます。専門店内には、昔ながらのパリらしい雰囲気が楽しめるティーサロンがあり、ランチも提供していました。
紅茶が大好きな人にはたまらないお店ですね。種類が多いので長い時間をかけて吟味しているお客様も多数いらっしゃいました。私はここでお土産に紅茶のクッキーを購入しました。今まであまり紅茶に興味がなかった方でも、興味を持つきっかけになるかもしれない、そんな雰囲気のお店でした。
マリアージュフレールを楽しんだ後は、ついにエトワール凱旋門に!
とにかく大きい!スケールが違います!目の前にすると圧倒されました。
エトワール凱旋門は、1806年、前年のアウステルリッツの戦いに勝利した記念にナポレオンの命によって建設が始まり、ルイ・フィリップの王政復古時代である1836年に完成しました。
ナポレオンは凱旋門が完成する前に既に死去しており、彼がこの門をくぐったのは1840年にパリに改葬された時でした。
古代ローマの凱旋門にならった「新古典主義」と呼ばれる建築様式の代表作の一つで、門の下には、第一次世界大戦のときの無名の戦士たちのお墓があるそうです。
地下道を通り、凱旋門の真下から見上げるとより大きく感じました。入場料を払えば、登ることも出来るそうですが、今回は時間がないため、登りませんでした。
凱旋門からのびる有名なシャンゼリゼ通りをウキウキしながら歩いていきました。
すごく人が多く、ずっとキョロキョロして歩いていました。途中でルイヴィトン本店も見つけることができました。
ここでのお目当てのお店はLadurée(ラデュレ)です。内装も外装もお洒落で、イートインもできます。
Laduréeは、1862年フランス南西部出身で製粉業者であった、ルイ=エルネスト・ラデュレが、パリのロワイヤル通り16番地にブーランジュリーをオープンさせたお店が前身で、火災を機に1871年にパティスリーへ変わったそうです。
マカロンが有名なのでご存知の方も多いと思いますが、実際に見てみるとエスコヤマの方が種類が豊富だなぁと感じました。
時間がなくてイートインはできませんでしたが、次回、来れる機会がありましたら、朝から出来たてホヤホヤのフレンチトーストなどを食べてみたいものです。
ラデュレを出たあとは、もう時間も遅くなり、歩き疲れてヘトヘトになってしまいました。
パリを満喫して、気分は最高潮のままホテルに戻ることに。
しばらく部屋でくつろいだあと、ホテル近くのレストランで夕食を食べに行くことにしました。
カジュアルなお店で4人で4プレートを食べ回しました。ハンバーガー、ステーキ、サーモンのグリル、シーザーサラダと
日本でも食べ慣れたものばかりですが、どれもとても美味しかったです。
その後は、気になっていたパリのお寿司屋さんにもいってみました。
パリのお寿司屋さんは何故かネオンがピンク色のところが多く、少し雰囲気がいかがわしい感じがしましたが、久しぶりの和食で気持ちが落ち着くのを感じました。サーモンが脂が乗っていて特においしかったです。
そんなこんなでパリ最終日は終わりを迎えました。まだまだ行きたいところは山ほどあるので、是非また訪ねてみたいと思います。
パリの街並みや美食を堪能してとても貴重な体験をさせていただきました。たくさんおいしいものを食べましたが、エスコヤマの商品と比較すると、エスコヤマの商品の方が繊細で、味の組み合わせ方も斬新で、甘味、酸味、苦味などのバランスが良く、素材の良さをうまく生かしているなと感じる場面も多々ありました。パリで学んだことも大切ですが、エスコヤマで働く普段から、小山シェフがどのような意図で、現在ある商品を創り出されたのか、その背景をもっとよく知ることで学べることはもっと沢山あります。
私はまだまだ色々なことを日々勉強している段階ですが、いつか、商品開発などにも携われるようになりたいと考えています。そのためにも、小山シェフや先輩方が生み出された多くのアイテムの開発秘話や背景を好奇心を持ってもっと掘り下げて理解することで、発想力や想像力を鍛えることが自分には必要だと思います。
また、旅先だけでなく、日々の中での発見や学び、感じたことを日々の仕事の中で生かしていきます。
まだまだ私は未熟者で、今回のこのレポートも提出期限を守れず、多くの方々にご迷惑をお掛けしてしまいました。感じたことや考えていることを言葉や文章にして表現することも苦手で、何度も小山シェフや先輩方にご指摘をいただいています。
まずは、このような点を直せるよう、練習し、努力し続けていくことが課題です。
日々の仕事から学ぶ姿勢を忘れず、もっと沢山のことを吸収していこう。そう痛感した研修旅行でした。
長期に渡りお休みをいただき、貴重な経験をさせていただいたことにとても感謝しております。
これからも進化を続けるエスコヤマを、どうぞよろしくお願いします。