vol.11 レポーター明比 伸行 Nobuyuki Akebi
こんにちは、小山ロール担当の明比伸行です。
研修旅行4日目、5月16日にオプショナルツアーで行ったミシュラン三つ星レストランMartín Berasategui(マルティン・ベラサテギ)でのディナーをレポートさせていただきます。
実は、5年前の研修旅行でバスク地方へ来た時にも行きたいと思っていたのですが、その時は時間が足りなくて行けませんでした。とても残念だったので、今回はぜひ行ってみたいということで参加を決めました。
メンバーはブーランジェリーのダミアンさん、バウムクーヘン担当の岡田君、坂本君、伊藤君、小山ロールの生地担当の岸本君の6人です。場所はホテルからタクシーで10分ほど行った、閑静な住宅地の奥の高台にあります。
入り口から期待感でいっぱいです。昼間のように明るいですが、もう20時を過ぎています。
一歩お店に入るとスタッフの方が片言の日本語で「いらっしゃいませ、こんばんは」
と、とてもにこやかに挨拶してくださいました。こちらもつられて笑顔になりました。
お料理10皿、デザート2皿で午後8時半からスタートしました。
お料理の配膳はスタッフの方5人で、同時にお皿を出してくださいます。
今回は、”THE BEST OF MARTIN BERASATEGUI’S CUISINE”、つまりマルティン・ベラサテギの料理の中から「ベスト」を味わえるコースです。
メニューには、その料理が出来上がった年数が書いてありました。
駆け足になりますが、ご紹介させていただきます。
まず、一品目。
1995 MiLLE-FEVILLE OF SMOKED EEL,FOiE-GRAS,SPRiNG ONIONS AND GREEN APPLE
前菜からデザート?と思いきや、青りんごと玉ねぎ、軽くスモークした鰻とフォアグラのミルフィーユです。
表面はキャラメリゼされていてパリパリ、何層にも重ねてありました。
こちらは、今回いただいたメニューの中で最も古くからある、このお店のスペシャリテだそうです。
この後もどんなお料理が出てくるのか楽しみでたまりません。
2014 RED SHRIMP ROYALE AND FENNEL
続いては今年の新作 海老のロワイヤルとフェンネル。器も海の生物のようで、面白いです。
2011 OYSTER WITH CUCUMBER,KAFIR AND COCONUT
3品目 牡蠣 きゅうりとカフィアライム(コブミカン)とココナッツのスープ仕立て
とろりとした生牡蠣とココナッツの甘みと、きゅうりとカフィアライムのさっぱり感がよく合っていました。
2013 SAUTEED BLACK GARLIC WITH BEET CEVICHE,ICE RADISH AND RAIFORT CREAM
黒ガーリックのソテーとビーツのセヴィーチェ、ラディッシュのグラニテと西洋わさびのクリームで
下地の黒いソースは黒ガーリックを煮詰めたものです。
薄く延ばされているのに味がしっかりしていて、ピンク色のラディッシュのエスプーマで出されたクリームと合わせる
とマイルドに!!脇には、ラディッシュのグラニテが添えられています。
これがまたサッパリしていて、口休めにピッタリでした。
2014 RAW SEAWEED AND SEAWEED CREAM on “SEA URCHIM CURD”with ALMOND SALAD
ウニの生の海藻のソース アーモンドサラダ
2014 RAW ASPARAGUS STALKS BLENDED WITH “IDIAZABAL”WHEY AND HINTS OF ANISSEED
生のアスパラガスの茎の「イディアサバル」チーズ(バスクのチーズ)の乳清 アニスのアクセントで
2011 “GORROTXATEGI”EGG RESTING ON A HERB LIQUID SALAD AND DEWLAP CARPACCIO
“GORROOTXATEGI”の卵をベーコンと豚の肉垂、ハーブサラダのジュースのカルパッチョに載せて
2001 VEGETABLE HEARTS SALAD WITH SEAFOOD;CREAM OF LETTUCE AND IODIZED JUICE
野菜の芯とシーフードのサラダ レタスとヨードのジュースのクリームを添えて。
お皿いっぱいに盛り付けられたサラダ。小花が散りばめられていてとても美しいです。
酸味の効いたジュレ状のトマトのドレッシングが、ハーブの爽やかな苦味と合わさって、後味はとてもすっきりしています。
2014 SEA BASS FILLETS OVER BARNACLE “MARINIERE”SAUCE,CRISPY EGG YORK AND EXTRACT of GREEN ASPARAGUS AND SPINACH
アラのフィレ フジツボのマリニエーレ風ソース、卵黄とグリーンアスパラガスとほうれん草のエキスのクリスピー
2014 ROASTED PIGEON SEVED WITH ITS JUCES MIXED WITH DEAD OLIVES,LIQUID TUBERS STUFFED WITH TRUFFLES AND CUCUMBER PICKLED in WHITE VINEGAR AND CURRY
メインディッシュのお肉は(Pigeon)つまりハトです。
スタッフの方に尋ねてみると、ハト専用の細長い七輪で炭火焼きにしているとのことでした。
ハト肉は生まれて初めていただきました。
普段、公園等で見かけるハトの姿を思い出すと、少し抵抗がありましたが、いざ食してみると鴨肉のような感じで
あっさりしていました。
最後にデザート。2皿とも、今年の新作です。
2014 FOI-GRAS NOUGAT WITH HINTS OF APPLE,RED WINE AND BLACK SESAME CRISP
一皿目は黒胡麻とリンゴを使った一皿です。
黒胡麻のヌガーや、薄く黒胡麻のペースト状のものが敷かれていました。
黒胡麻の味が濃く感じず、ちょうどいい味でした。脇には赤ワインのかき氷が添えられていました。
2014 SMOKED SPONGE WITH COCOA CRUNCH,FROZEN WHISKY CREAM,CRUSHED ICE,GREEN BEANS AND MINT
デザート二皿目はウィスキーのかき氷とアイスでした。かき氷だけで食べるとウイスキーが少しキツく感じますが、
上にはミントとうすい豆が散りばめられサッパリしていました。また、豆が、面白い食感を添えていました。
デザートの後にコーヒーを頼んで待っているとスタッフの方が何やら大きなものを持って来てくださいました。
何だろう?と思っていたら器のデザインが「とてもすごい!」の一言のプティフール。
5種類のフィナンシェ、ボンボン、チョコレートケーキ、ココナッツミルク、ザクロのドリンクが載せられています。
まるでオブジェのようでした。
食べ終えた後は、マルティンシェフ自ら、厨房を案内してくださいました。ここで記念写真。
厨房の中は、お仕事を終えて全てお掃除が終わった後でした。綺麗に整理されていて、とてもスッキリしていました。
また、地下のワインカーブにも案内してくださいました。
このワインセラーの1つが、だいたい一週間空っぽになってしまうとのこと!驚きました。
ホテルに帰った頃には午前1時を過ぎていましたが、お料理はもちろん、サービスの方々もテキパキとされていながら、とても温かい雰囲気で、あっという間の4時間で、とても思い出深い食事になりました。
小山シェフ、今年も研修に参加させていただき本当にありがとうございました。