vol.9 レポーター丁子 倭子Wako Chouji
焼き立て菓子マルシェ担当の丁子倭子と申します。
5月16日のサン・セバスチャンでの自由行動についてレポートを書かせていただきます。
サン・セバスチャンは、空と海が青く綺麗な、面積当たりのミシュランの星の獲得数が、世界でも断トツの1位とのバスク地方の中でも、今世界で最も注目を浴びる「美食の街」です。
ミシュランの星付きレストランの他にも、1300軒以上のバルが立ち並びます。
バルとは、種類豊富な小皿料理を安く、気軽に味わえる「立ち飲みバー」のことです。
バルにずらっと並ぶ「タパス」と呼ばれる小皿料理の中でも、バスクでは「ピンチョス」と呼ばれるものが多くあります。
ピンチョスは、さまざまな具を串に刺したり、薄切りにしたパンの上に盛り合わせたものが主流です。
カウンターにずらりと並んだピンチョスから好きなものを選んで食べられます。
バル巡りで肝心なのは…
一軒でお腹いっぱい食べないことです。
地元の人から観光客まで、バルをはしごしながら飲み・食べ歩く人々で、街は夕方から深夜12時過ぎまで大変にぎわいます。
私も19時頃から12時過ぎまで、一軒でお酒を一杯、ピンチョスを一つ食べる・・・を繰り返し、バルを6軒はしごしました。
バスク地方には、有名な地酒「チャコリ」があります。ほんのわずかな発泡性を残した状態でボトリングされた、とてもデリケートなワインなので、なかなか日本には輸入されません。どのお店でもチャコリを注文すると下の写真のように高い位置から一気に注ぎ、泡を立てて楽しみます。
このような注ぎ方を"バニュルス注ぎ"と言うそうです。 街の人々や、バルのスタッフには気さくな方が多く、たくさんの方々とお話しました。 日本が好きで漢字の入れ墨を入れていて、見せてくれる方もいれば、日本のアイドルを知っているという方もいました。
お店によっては、遊び心のあるピンチョスもあって、見ているだけでも楽しめました。
数多くのバルの中でも、小山シェフがお勧めしてくださったのが、Zeruko (セルーコ)というバルです。一つ一つ繊細に作られた、モダンなピンチョスをオーダーすると、お皿に盛りつけてくれるのです。以前日本のテレビが取材に来たり、ピンチョスがコンクールで受賞されたこともあるそうです。
アーティチョークとは、和名は「朝鮮アザミ」と呼び、ヨーロッパやアメリカではポピュラーな野菜です。このつぼみ部分を食べます。 zeruko(セルーコ)ではオーダーを通すと…
このように盛りつけてくれます。
チーズグラタン詰めのアーティーチョークです。
私はマルシェの担当ですので、エスコヤマの焼き立て菓子をいかに素敵に、
ディスプレイし、お客様を楽しませることができるか、常に考えて、日々、自分のセンスを更新していきたいと考えています。
あれもこれも!!と食べたくなるメニューや、わくわくするようなディスプレイをZerukoで見て、とても刺激をいただきました。
今回この海外研修で料理の魅せ方には色々な方法があることを学びました。
お客様に楽しんでいただける会話をすること、おいしいものをお勧めすること、いつも同じではなく、毎日違っていつでも楽しめる場所がマルシェでありたい。そういう考えにさせていただく事が出来ました。
この想いをマルシェのスタッフにもしっかり伝えて共有し、エスコヤマに来てくださるお客様にもしっかり伝わるようにより良い活気のある素敵な場所にしていきます。
小山シェフ、貴重な経験をさせていただき、ありがとうございました。